父と彼が天国へ…

コツコツ積立を続け、数百万円単位で投資信託を持つようになると、評価益も10万円単位になる。預貯金とは違うパワーを感じて、さらに積立に励んでいた美香さんだが、56歳のとき、父親が亡くなった。悲しみにくれていたら、なんと10日後、彼が通勤途中に突然倒れて、急死してしまう。59歳という若さだった。

「子どもの結婚が決まっていたのに、結婚式にも出られずに逝ってしまった。その人はその人なりの人生を完結していくから、どんなに手を尽くしても救えないし、他人には踏みこめない部分がある。本当に悲しかった……」

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これまで彼女を支えてきた人たちが亡くなり、経済的基盤を失った思いもあったが、同時に女性の経済的自立への決心もできたと美香さんは言う。
「70代で再婚した父親の後妻が、相続に不満で裁判を起こしたんです。法廷で『誰が年金だけの人と再婚なんかしますか!』と当然のように裁判官に主張していました。あの時、私の意識が変わらなければ、後妻同様、いくつになっても経済的に自立できないままだったと思います」

シングルマザーの自分を支えてくれた大切な男性二人が天国へ旅立った。もし経済的にもその二人に完全に依存していたら、悲しみのみならず、別のパニックが押し寄せていたはずだ Photo by iStock