「レズ鑑賞クラブティアラ」に所属して2年強のまこさんは、小柄で、明るい笑顔を絶やさない女性だ。

まこ:私がレズ風俗店のお仕事をはじめたきっかけですか? 当時はお金が必要だったからです。でもその時点では、そもそも風俗って一体どういうものかもよくわかっていなかったですね。悪いものではないけれど、性に関することだから、利用している人も働いている人も表でわざわざ話さないだろうなぁ……というぐらいの認識。
それでもレズっ娘クラブグループはもうこの業界で10年もつづいているお店だから、お店やお客様とのトラブルで困ったことになったりはしないだろうと思ってはじめてみたんです。男性のお客様への接客が自分に向いているとは思えなかったので、男性向け風俗店やお酒を出すお店で働くという選択は私にはできませんでした。
天野:実際、お仕事をしてみてどうでしたか?
まこ:すごくすごく「普通」のことなんだなぁと感じました。人と人が出会う場なんです。セックスして終わりじゃない。ただセックスするだけでもいい。一緒にいる時間は、いま目の前にいる人を尊重して大事にし合う……これは衝撃でしたね。お客様のなかには、新型コロナの影響で外出自粛がつづいた期間も、キャストのことを親身になって支えてくれようとする方もいらっしゃいました。

御坊:コロナ禍のなかでは通常のご案内はできないので、メッセージのやり取りや電話での会話でキャストとお客様をつなぐサービスをはじめたんですよ。お仕事がなくなってキャストが経済的に困るのではないかと心配してサービスを利用される方もいましたが、初めてのご利用前に気になるキャストとお話ししてから指名したいという動機の方もいて、お客様にもキャストにもプラスになったと感じました。今後もつづけることにしました。
まこ:お客様だってみなさん大変な時期なのに、支えてもらったと思っています。仕事をはじめたきっかけはお金でしたし、お客様は毎回、安いとはいえないお金を払って会いに来てくださるのだから、それに応えたいというのもあるのですが、決してお金だけの関係じゃないと実感しました。