アフターパンデミックの生き方は「大阪の笑い」に学べ

「おもろい」は地球を救う
大原 浩 プロフィール

笑いは最高の営業戦略

しかし、大阪の人々はなぜそこまで笑いを大事にするのだろうか?

やはり歴史的に商都であったことが大きいと思う。しかも栄えたのは、現在のようにグローバルに人間が移動する時代ではなく、鎖国や関所などで人間の移動が制限されていた時代である。

だから、比較的閉ざされた集団の中で、丁々発止の商売上の駆け引きを行わなければならない。現代でもビジネスにおける交渉は熾烈で大きな争いになることも多い。しかし、狭い社会で誰かを敵に回したらさらに大変だ。

したがって、「笑い」という潤滑油で「熾烈な交渉の結果起こる不測の事態」を防ごうという目的があるのではないだろうか?

人間は笑っている時(瞬間)に、相手を憎んだり、怒りをあらわにすることは難しい。だから「笑い」というのは、「平和の使者」でもある。

もちろん、熾烈な交渉の過程では、「顔は笑っていても、はらわたは煮えくり返っている」ことは珍しくないであろうが、その怒りを面に出さずに笑顔でいるのが大阪人の知恵だ。さらに言えば、普通に交渉すれば決裂するしかない内容でも、「笑い」をかませれば落としどころが見えることもあろう。

人間は良くも悪くも感情に支配される動物だから、「敵対的」な相手と交渉して実りのある結果を得ることは難しい。やはり友好的で冗談の1つも言えるような相手との交渉の方がスムーズである。

 

だから「面白い」というのは「交渉の達人」と同じ意味であり、大いに賛美されるのが大阪文化といえよう。

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