新型コロナの影響で注目を集めている「マッチングアプリ」。スマホ一つで新たな出会いを探せるため、婚活の主流となりつつあります。
FRaU webでは「アプリ婚活」のリアルをノンフィクション小説としてお届け。実際の取材に基づき、アプリのテクニックも満載です。
主人公はコロナ禍で孤独を極め、本気でアプリを始めたアラサー男女。マッチングアプリで良縁を掴むため、「結婚とは」「幸せとは」について見つめ直していきます。果たして二人はベストパートナーにたどり着けるのでしょうか?
【これまでのあらすじ】
度肝を抜く美人と結婚した同期は、まさかの『アプリ婚』だった――。衝撃を受けた工藤直彦(29歳)は、結婚前提の出会いを求めてマッチングアプリに登録。すると、最初に『いいね』を押したRumi 32歳とスムーズにマッチングした。順調な滑り出しかと思われたが、彼女は別のエリート男とデートしており直彦のことなど眼中にないのだった…。
度肝を抜く美人と結婚した同期は、まさかの『アプリ婚』だった――。衝撃を受けた工藤直彦(29歳)は、結婚前提の出会いを求めてマッチングアプリに登録。すると、最初に『いいね』を押したRumi 32歳とスムーズにマッチングした。順調な滑り出しかと思われたが、彼女は別のエリート男とデートしており直彦のことなど眼中にないのだった…。
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マッチングしたのに…
なぜ返事がこない?
――なんで返事がこないんだ……?
直彦はマッチングアプリのメッセージ画面を見つめ、この日何度めかのため息を吐いた。
テレワークの合間に隙を見てはアプリを覗いているのだが、昨夜マッチングしたはずのRumi 32歳から一向に返事が届かないのだ。
『こんばんは。工藤直彦といいます。ぜひお話ができればと思いご連絡しました。よろしくお願いします』
自ら送ったメッセージを改めて確認し、直彦は首を傾げる。
最初だからと思いソツのない文章を心がけたが、あっさりしすぎただろうか。しかしいきなり前のめりなメッセージを送って気持ち悪い男だと思われたくない。
続いてRumi のアイコンをクリックし、プロフ写真を再び眺める。……やはり好みだ。
不思議なもので、最初は軽い気持ちで『いいね』を押しただけであったのに、スムーズにマッチングし、メッセージを送り、さらにこうして繰り返し写真を眺めているとどんどん魅力的に思えてくる。
会ってみたいという気持ちが増していくのだ。