2020.07.30
# 格差・貧困

女性活躍のタテマエの裏で…コロナは圧倒的に「女性」を苦しめていた…!

浮き彫りになった女性活躍の実態と格差
飯島 裕子 プロフィール

エッセンシャルワーカーの登場

4月7日、東京で緊急事態宣言が出され、外出自粛が叫ばれ、在宅勤務をする企業が増える中、突如使われはじめたのが「エッセンシャルワーカー」という言葉だ。医療体制の逼迫が報じられ、感染の恐怖と隣り合わせで働く医療従事者に対する感謝を表明する人々が増えはじめた時期と重なる。

医師や看護師など医療関係者にとどまらず、スーパーやドラッグストアの店員、清掃員、介護労働者など、生活基盤(=エッセンシャル)を支える社会に欠かせない人という意味で使われはじめた。これまであまり着目されることがなかったエッセンシャルワーカーに光が当たった出来事と言えるかもしれない。

〔PHOTO〕iStock
 

注目すべきは、その大半はパート等の非正規雇用であり、女性が多く、賃金は最低賃金レベルであることが少なくないことだ。不十分な感染対策しか取られていない職場で働かざるを得ない人々にとって必要なのは、中途半端なリップサービスではなく、安心して働くことができる職場環境であったに違いない。

一方、同じ接客業でも、自粛によって休業した飲食店等に勤めている人とスーパーやドラッグストアに勤めている人では状況が大きく異なる。ドラッグストアでパートをしている女性は、3月以降、客が倍増し、マスクや消毒用アルコール入荷の際はレジに長蛇の列ができ、対応に追われた。特にSNSで拡がるデマや「買い物は3日に1日」といった政治家の発言などがあるたびにお店はごった返し、恐怖を感じたという。

また女性比率が高い介護職でも通所施設(デイサービス)は自宅にとどまる高齢者が増えたため、縮小し勤務時間減に追い込まれたが、訪問介護は人手不足でまわらないなど、働く現場によって置かれた状況は異なっていた。

同じ接客業、ケア労働でも、仕事が減り生活が立ち行かなくなった人もいれば、三密の職場で感染の恐怖と隣り合わせという人もいて、いずれも困難に直面しているが、ひとくくりに語れない難しさがあったと言える。

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