2020.08.03
# 中国

三峡ダムより恐ろしい…「長江流域大洪水」がもたらす中国の食糧危機

裏で「敵」米国から穀物大量買い付けへ
北村 豊 プロフィール

どう考えても心配な事実

それが本当ならば、たとえ長江・淮河流域の食糧生産が洪水・冠水によって壊滅的な打撃を受けたとしても中国国民に対する食糧供給に支障は生じないということになるが、果たして現実はどうなのであろうか。

2020年5月頃から中国各地のメディアは「復耕荒田(荒れた田畑の再耕作)」を呼び掛けており、地方政府は農民たちに一定期間内に荒れた田畑の再耕作を始めなければ当該田畑の「承包権(請負権)」を回収すると中国政府の意向を宣伝している。

食糧が豊作で、食糧備蓄が十分にあるなら、何故に請負権の回収まで表明して「復耕荒田」を強制しようとしているのか。

中国では湖北省襄陽市、広西チワン族自治区桂林市、湖南省永州市などの地域で国産の蝗(イナゴ)による蝗害(こうがい)が発生しており、農村部では周囲一面をイナゴが埋め尽くし、田畑で栽培中の農作物が食い荒らされている。

一方、雲南省の普洱市や西双版納(シーサンパンナ)では、中国語で「黄脊竹蝗(Yellow-Spined Bamboo Locus)」と呼ばれるバッタが隣国のラオスから国境を越えて侵入し、竹や農作物が全滅状態にあるという。

なお、中国が最も恐れているのは、東アフリカで発生したと言われるサバクトビバッタだが、彼らはパキスタンを経由してインドからネパールまで東進しているが、中国への侵入は未だに確認されていない。

 

洪水・冠水に蝗害が加われば、中国の食糧生産は大きな打撃を受け、今年の年末に17年連続の豊作を祝うことは困難なものとなるだろうが、中国には上述の通り全国民が1年間消費可能な食糧を備蓄している倉庫があるから心配は不要という図式が考えられるのだ。

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