「半沢直樹」が「ドラマ第2回」の呪縛とプレッシャーから克服できたワケ

失速するかの分かれ道
鈴木 祐司 プロフィール

視聴データから見る2話の評価

では次にインテージ「Media Gauge」で、初回と2話の波形を比べてみよう。インターネット接続テレビの視聴動向を、関東地区約69万台で調べているので、15秒ごとに区切っても400~500台以上のテレビが、絶えず『半沢直樹』を途中で見始めたり、見るのをやめたりしている。実は番組を最初から最後まで見続ける人は一部で、多くの視聴者がザッピングしながら楽しんでいるのである。

まずグラフ上部の「接触率(5分以上見た人の割合)」波形を見てみよう。CMで一旦落ち込む部分を除くと、初回は最初から最後までフラットだ。途中で見始める人と、やめる人の数がだいたい同数だったことがわかる。

 

ところが2話では、冒頭10分と、30分以降で右肩上がりの波形を描いている。グラフ下部を見るとわかるが、2話は初回より明らかに流出率(視聴をやめた人の割合)が低いパートがたくさん存在する。つまりドラマの内容・展開が面白いために脱落する人が少なかったのである。裏番組から逃げて流入して来る人の数は大きくは変わらないので、流出が少ない分、視聴者数が徐々に増えたのである。

2話冒頭10分の急上昇は、初回の出来の良さに由来している。ぜひ続けて見ようと思っていた初回からの継続視聴者、あるいは評判を聞いて見たいと思った人が、9時ちょうどに間に合わずに慌てて見始めている。

問題は30分以降での右肩上がり。初回で半沢たちを裏切った三木(角田晃広)を仲間に取り込み、瀬名社長(尾上松也)のスパイラルを救おうと名乗り出たフォックスの郷田社長(戸次重幸)に疑いの目を向けた30分台。仲間になった三木、同期の渡真利(及川光博)、東京セントラル証券のプロパー組の一人の浜村(今田美桜)などが、電脳雑技集団による買収のウソを暴き始め、取引ギリギリで郷田のウソを突き止めた40分台。そして半沢と森山(賀来賢人)が乗り込み、偽りのアドバイザーを務めていた太洋証券の広重(山崎銀之丞)をやり込めた50分台からラストまで。

これら30分あまりは、明らかに初回の同時刻より流出率が低い。タイムリミットまでに間に合うか。寸前でバレた書類を盗み見行為での機転。大洋証券の広重を雪隠詰めにするまでのどんでん返しの連続。手に汗握るシーンが続き、大半の視聴者は脱落する余裕もなく、物語に見入っていたのである。接触率が右肩上がりとなった怒涛の後半30分あまり。多くの視聴者の興奮と感動は、恐らく第3話に着実につながるだろう。

第1シリーズは、視聴率を上げ続け、最後は初回の2倍にまで膨れ上がった。制作陣により大きなプレッシャーがかかり、視聴者も半沢節に慣れていくので難しいのは分かった上で、今シリーズでの健闘を期待したい。

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