東京でも爆発的ブームは目前
見た目のインパクトもさることながら、徐々にごぼう天を出汁に浸していくことによって、「食感の味変」が楽しめる。もし出汁に浸りすぎたとしても、ごぼう自体がシャキシャキした食感なので、大判の天ぷらも最後まで飽きが来ない。すべてがごく伝統的な食材でありながら、実は非常に計算された一品に仕上がっているのだ。
商人のファーストフードとしての「博多うどん」が、今や福岡の地元民のみならず、「名物」として旅行客にもよく食べられるようになったと「大地のうどん」担当者は語る。実際、博多駅近くにある店舗を訪れると、正午前とランチにはやや早い時間帯から、スーツケースを持った客が列をなしているのがみられた。
「特にこの2~3年で、県外からのお客さんが非常に増えました。テレビなどでも福岡特集の時には、ほぼ必ず『うどん』が取り上げられるようになったんですね。もともと福岡といえば豚骨ラーメンが人気ですが、『うどん』も観光グルメのスタンダードになってきています」(担当者)
「本場」のごぼう天うどんは、福岡に行かないと食べられないわけではない。東京・高田馬場にも「大地のうどん」の店舗はある。数年前に比べて、大手うどんチェーンの店舗数は格段に増加したが、チェーンがごぼう天うどんをラインナップに投入してくるのも時間の問題かもしれない。
密かなる「ごぼ天ブーム」は、大手のスナック菓子のフレーバーに決まるほどだ。7月13日からは、カルビー株式会社がじゃがりこ ごぼ天うどん味」を地域および期間限定で発売した。

明太子や餃子にもつ鍋、そしてラーメンと「競合揃い」の福岡で、なぜごぼう天うどんをチョイスしたのか。じゃがりこの商品企画を担当するカルビーマーケティング本部の担当者に話を聞いた。
「福岡の麺類といえば豚骨ラーメンのイメージが強いですが、商品開発のリサーチをする中で、実は、地元の人に愛されているのは「うどん」で、中でもごぼう天うどんが人気だということを知りました。
ごぼうの粒とあごだしパウダーをじゃがりこに練り込んで、より素材の味をしっかりお楽しみいただけるかと思います」