SNSで誘拐・監禁される少女たち…苦悩する子どもを大人が助ける方法

フランスの「届ける福祉」とは何か
安發 明子 プロフィール

パリ市では子どもと若者に関係する37の異なった機関で勤務する40人の専門家がネットエデュケーターとして活動している。

専門家とは、路上エデュケーター(注1)、教育機関のソーシャルワーカー、また、12歳以上の若者が無料で継続的なカウンセリングを受けられるティーンエイジャーの家、宿泊施設、若者向け職業紹介や職業訓練を受けられる機関、生活費の補助が受けられる機関等で実務についている児童福祉関連の資格を持つ人である。

フランスは週35時間労働なので、本職は33時間、そして週2時間以上をネット上での支援に充てることが条件である。パリ市では人数を倍増させる予定だ。

ネットエデュケーターの一覧は実名、顔写真、所属機関等ホームページで見ることができ、相談者はネットエデュケーターとしてのFacebookなどのアカウントに相談を送ることができる。

ネットエデュケーター自身は、受けた相談への対応以外に自ら二つの方法でアプローチする。一つは実務で出会う若者をネット上でより深くフォローすること。もう一つは自分が専門として関わるターゲットに関する情報をネット上で見つけ話しかけ支援につなげること。

家出をしたいという若者を見つけたら安全な宿泊施設や相談先に案内し、引きこもりがちな若者には活動に誘う。主にFacebook, Instagram, SnapChatとヨーロッパで普及しているLINEのようなSNSツールで活動している。

特にコロナによる休校期間中は子どもと若者に積極的にアプローチし、相談にのり虐待や暴力被害者を保護するなど活躍した。

(パリ市ネットエデュケーターホームページより)
 

対面よりSNSの方が話しやすい

路上エデュケーターをしながらネットエデュケーターを務める職歴11年のオレリーは言う。

「例えば性的ビジネスをしていることについて、親か学校に相談できる?親に家に閉じ込められて家事をさせられたり、嫌なめにあっているとか、オーラルセックスをするときコンドームをつけた方がいいのかとか、知らない相談機関に行って知らない相談員に突然話す方が不自然。一方でネット上では自分の判断で情報収集をすると安全ではない情報があったり勧誘につながったりリスクがある。安全な相談相手がネット上にいるということが大事」

彼女はしばらくチャットで打ち明け話をしている中で実は性的ビジネスをしているという相談を受けることが多いので、若者に近づくには対面より近道であると言う。深夜であっても若者にとって話したいタイミングにチャットでメッセージを残すことができるという点において重要なツールであると感じている。

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