2020.08.14
# 食品

日本人が意外に知らない…世界一売れている「日本のおかき」の正体

モンスター企業はこうして生まれた
岡本 ジュン プロフィール

世界56ヵ国に広がる「日本のおかき」

異国の、それも見知らぬ青年のいきなりの訪問に岩塚製菓側はとまどいを隠せなかった。まだ小さな会社であった旺旺に対して、もちろんすんなり承諾するわけにはいかない。蔡氏はそれから何度も新潟へ足を運び、説得には3年という時間がかかったという。

長きにわたる話し合いの末、技術提携の話は結実。1983年、岩塚製菓は旺旺集団へ技術供与をする対価として株主となった。

じっくりとものづくりに取り組む岩塚製菓は、自社で培った高品質のおせんべいの技術を丁寧に伝え、いいものを作り上げるための尽力を惜しまなかった。そうやって完成した品質の高い商品と、蔡氏の起業家としての情熱が決め手となって、旺旺集団はブランド力を上げてメキメキと成長していった。

現在、旺旺集団は米菓のほか、飲料なども幅広く扱う総合食品メーカーとなり、旅行会社や保険会社なども経営する巨大グループ企業に成長している。さらに中国本土はもとより、世界56ヵ国へ進出し、「米菓生産量世界ナンバーワンメーカー」へと化けたのだ。

 

その生産量は年間26万トン。日本には約400社の米菓メーカーがあるが、その全ての生産量を合わせておよそ23万トンというから、旺旺集団は1社で日本全体の生産量を超えている。

旺旺集団とのライセンス契約に誠実に応えてきた見返りとして、今や岩塚製菓は営業利益の十倍以上となる配当金を受け取ることになった。地に足の着いた“ものづくり”という姿勢を貫くことで、岩塚製菓は生き残りをかけた企業の未来を切り開いたのだ。

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