2020.08.13
# アパレル

ユニクロは高い…? アパレル価格の「ヤバい裏側」をプロがすべて明かす!

本当の「お買い得」を見極める方法
小島 健輔 プロフィール

原価率から推測する「正価」のお買い得度

どれほど「お買い得」か判断するのに「正価」に対する「原価率」が分かりやすい指標だが、「原価率」は流通の段階と取引方法により様々で、一律な比較は難しい。 
アパレルは98%がアジアなど海外生産だから、それを前提に生産地の工場出し値から小売店の仕入れ値まで、どうコストが積み上がっていくか大まかに示してみたい。

自社工場生産は高級ブランドやテイラードアイテムの一部に限られ、ほとんどが工場や商社からの製品仕入れ(E、D)だから、自社工場生産原価(F)をベースに流通コストを積み上げてみた。同じ商品の原価が流通段階でこんなにも積み上がっていくのだ。

A)消化仕入れ原価率・・・・・・・・・・・65〜70%
B)セレクト買取仕入れ原価率・・・・・・・50〜55%
C)ロット買取仕入れ原価率・・・・・・・・40〜45%
D)ロット調達国内倉庫受け取り原価率・・・30〜35%
E)ロット調達現地工場渡し原価率・・・・・25〜30%
F)自社工場生産原価(減価償却費含む)・・・20〜25%

 

「お買い得」な原価率かどうかは、このA〜Fの同じ段階で比較しないと解らない。アパレル業界で一般的なDで比較すれば、最も高いのがワークマンの44.3%、次いで高いのがユニクロの36.5%、駅ビルやSCのSPAブランドの多くは31〜34%だが、タイムセールを乱発するチェーンや百貨店ブランドは20%を切る。

ラグジュアリーブランドの原価率は20%をかなり下回るが自社工場生産が多く、Dに換算すると22%前後で百貨店ブランドより「お買い得」な場合もある。

こんな原価率の「正価」からどれほど値引かれた価格で買うか、業界の仕組みを見切って利口に購入機会を選択すべきだが、自分のライフスタイルや価値観から浮き上がっては却って「高い買い物」になることもある。上手な買い物は自身を知ることから始まると心得て欲しい。

(株)小島ファッションマーケティング 小島健輔

SPONSORED