その3つとは、
(1)中国政府にはTikTokからユーザーの個人情報提供を直接要請する能力がある。
(2)ユーザーは個人情報をどのように利用されるか知るすべがない。
(3)投稿内容に対し中国が検閲できる。
である。
(1)については、張一鳴氏は、過去に個人情報を中国政府に提供したことはない、と否定しているが、2017 年に施行された国家情報法では、中国政府は企業に対し国家の諜報活動を支持し協力することを義務付けている。今までなくても、今後ないとは保障できないのだ。
また(3)については、2019年11月、米国の17歳の女子高校生が、TikTokで、化粧をしながらウイグル人権問題について語ったことで、一時的にアカウントが停止される事件があった。すぐに回復されたものの、国際版であっても、内容に対して中国政府の政治的検閲がありうることを示唆した。
アプリが消えた
いずれにしても、中国に国家情報法と国防動員法がある限り、中国と対立を深める米国とってあらゆる中国企業は国家安全上のリスクがある、ということになり、TikTokだけでなく、微博、微信、百度翻訳などのあらゆるアプリも、またアリババや京東といったEコマース企業、トリップドットコムなどの旅行サイトも、ネットイースなどのゲーム企業も個人情報を中国政府に渡すリスクはあり、スパイ企業になりうる、ということになる。
実際、アップルは人気オンラインゲームも含めて3万以上のアプリをアップルストアから撤去した。