2020.08.22
# 中国

習近平は知らない…アメリカがまっ先に「TikTok」を狙った本当のワケ!

中国企業の「脱・中国」を加速させろ…
福島 香織 プロフィール

なぜTikTokをまっ先にターゲットにしたのか…?

ところでトランプは、数ある中国アプリの中で、なぜTikTokを真っ先にターゲットにしたのだろう。ニューヨークのデジタル戦略のアナリスト、アナリサ・ナッシュ・フェルナンデスがBBCの取材で興味深い発言をしていた。

「TikTokは地政的な格闘において、新しい戦場として突出している」「貿易紛争、国境紛争のように、技術紛争がますます注目を浴びている。これは本質的に、ことなるイデオロギーの地政学的紛争でもある」……。

思うに、価値観、イデオロギーの異なる米中の戦において、TikTokの世論誘導力も、情報漏洩以上に脅威なのではないか。たとえば、トランプ大統領のオクラホマ州タルサ集会(6月20日)に100万人の参加申し込みがありながら、実際は6000人ほどしか出席せず、トランプのメンツ丸つぶれとなる事件があったが、これはTikTokユーザーの「ステージ上でトランプを一人ぼっちにさせよう」と呼び掛ける動画が広がったことが一因として挙げられていた。

それほどまでにTikTokの動員力、若者への世論誘導力が大きいとみられており、TiKTokを使わなければ選挙に勝てないといわれているからこそ、日本でも政治家の利用が増えていた背景がある。

 

中国アプリの中でTikTokを真っ先にターゲットにしたのはトランプの個人的恨み、という見方も一部で流れていたが、中国政府が検閲を行使できる圧倒的な世論誘導力をもつアプリが米国の若年層に広がることの怖さを考えると、大統領選前にこのアプリを何とかしたいと思うトランプの気持ちもわかるだろう。

この種のアプリは、その国の人間の価値観にコミットしうる怖さがあり、だからこそ、今の米中対立が自由主義国家と全体主義国家の「価値観戦争」だとすると、こうしたアプリもデカップリングせざるを得ない、となるのだ。

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