売れるものは何でも売る
ともあれ、「売れるものは何でも売ってお金に換える」ことを掲げている銚子電鉄。その一環として、「線路の石(バラスト)の缶詰」まで販売をしているという。
石はワックスがけしてあり、銚子電鉄の女性車掌の話だと、重しに使ったり、インテリアとしてもぴったりとのこと。「悪い人が来たら投げて、防犯にも使える」とも言っているけれど、これはたぶん冗談だろう。
「使い道はお客様の数だけある!」とPRしていて、一缶550円、協賛しているえちごトキめき鉄道および真岡鉄道の3社分セットなら1650円(税込)。どちらも通販でも購入可能だ。

また、銚子電鉄が長い間販売し、好評となっている「濡れ煎餅」。いくらヒット商品といえども、これだけでは飽きられてしまう。そこで、食品シリーズの一環として2018年8月3日(破産の日)より発売を始めたのが、スナック菓子「まずい棒」だ。
少し前に知人からいただいて食べてみたけれど、決して「まずい」ものではない。「まずい」のは経営状況であり、それを何とか打開すべく考案されたのが、この商品なのだそうだ。
「コーンポタージュ味」「チーズ味」「ぬれ煎餅味」「スーパーまずい棒」と順調に展開してきたところで、今回のコロナ禍。皮肉なことに苦しい状況に陥ってしまった。それでも、アイデアは留まるところを知らない。
老朽化の進んだ車体の錆びを見た社長が、「わっ、さび」と声を上げたことから、ワサビ味を思いつき、2020年秋の発売を予定しているという。苦境の中でもギャグを忘れない逞しさすら感じる。