2020.08.31
# 新型コロナウイルス # 鉄道

「線路の石、売ります」破綻寸前の銚子電鉄、泣ける“生き残り戦略”

コロナ苦境の中、ここまでやるか!
野田 隆 プロフィール

売れるものは何でも売る

ともあれ、「売れるものは何でも売ってお金に換える」ことを掲げている銚子電鉄。その一環として、「線路の石(バラスト)の缶詰」まで販売をしているという。

石はワックスがけしてあり、銚子電鉄の女性車掌の話だと、重しに使ったり、インテリアとしてもぴったりとのこと。「悪い人が来たら投げて、防犯にも使える」とも言っているけれど、これはたぶん冗談だろう。

「使い道はお客様の数だけある!」とPRしていて、一缶550円、協賛しているえちごトキめき鉄道および真岡鉄道の3社分セットなら1650円(税込)。どちらも通販でも購入可能だ。

画像:銚子電鉄の公式Youtube「激辛チャンネル」より引用
 

また、銚子電鉄が長い間販売し、好評となっている「濡れ煎餅」。いくらヒット商品といえども、これだけでは飽きられてしまう。そこで、食品シリーズの一環として2018年8月3日(破産の日)より発売を始めたのが、スナック菓子「まずい棒」だ。

少し前に知人からいただいて食べてみたけれど、決して「まずい」ものではない。「まずい」のは経営状況であり、それを何とか打開すべく考案されたのが、この商品なのだそうだ。

「コーンポタージュ味」「チーズ味」「ぬれ煎餅味」「スーパーまずい棒」と順調に展開してきたところで、今回のコロナ禍。皮肉なことに苦しい状況に陥ってしまった。それでも、アイデアは留まるところを知らない。

老朽化の進んだ車体の錆びを見た社長が、「わっ、さび」と声を上げたことから、ワサビ味を思いつき、2020年秋の発売を予定しているという。苦境の中でもギャグを忘れない逞しさすら感じる。

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