2020.08.31
# 新型コロナウイルス # 鉄道

「線路の石、売ります」破綻寸前の銚子電鉄、泣ける“生き残り戦略”

コロナ苦境の中、ここまでやるか!
野田 隆 プロフィール

PRできる要素はたくさんあるけれど

ところで、第3セクター鉄道が一致協力して御朱印帳の鉄道版である「鉄印帳」イベントを始めたことは、先に記事にした。銚子電鉄もこうしたイベントに参加したいところだが、残念ながら第3セクター鉄道ではない。

しかし、それを、指をくわえてみているだけではないところが銚子電鉄だ。何と、銚子電鉄オリジナルの御朱印帳を始めていたのだ。2019年元旦に発売開始というから、「鉄印帳」に先んじて行っていたことになる。それにしても知名度からすれば、もっとPRすればいいのにと思う。

この「御朱印帳」は税別で2000円。銚子電鉄の全10駅の御朱印を用意して、一駅200円で押印してもらえるという。

筆者撮影
 

もっとも、10駅のうち駅員のいる駅は少なく、大方は無人駅だ。誰もいない駅にスタンプを置いておくと防犯上まずい。さらに、電車を使って各駅を訪問すると半日ほどかかってしまう。

そうした手間を省くため、仲ノ町駅で5駅分を、残りの5駅分を犬吠駅で押してもらえるようにしている。各駅を回るのは「面倒くさいでしょ?」とは社長の弁。

それなら、いっそのこと一駅で全駅分の押印をすればいいのにと誰しも思う。その質問をレポーターが社長に質問すると、「駅員が一生懸命力を込めて押印するので、疲れてしまう」ので2駅で分担しているらしい。

ややうがった見方をすれば、少しは電車に乗ってもらいたいという思惑もあるのではないだろうか。全駅コンプリートすると2000円プラス御朱印帳2200円の4200円が銚子電鉄の収入になるとのこと。「よろしくお願いします」と社長自ら頭を下げていた。

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