2020.08.31
# 鉄道 # 新型コロナウイルス

「線路の石、売ります」破綻寸前の銚子電鉄、泣ける“生き残り戦略”

コロナ苦境の中、ここまでやるか!
野田 隆 プロフィール

何とか持ちこたえて欲しい

さらに興味深いのは、映画製作に取り組んできたことだ。タイトルは『電車を止めるな!~のろいの6.4km~』。B級ならぬ“超C級映画”だそうで、超Cは、「銚子」をかけているという。

「心霊電車」企画という演出を始めたところ、本物の心霊現象が起こってしまうというホラーじみた内容のようで、8月下旬の千葉市稲毛海浜公園にあるドライブイン・シアターでの上映を皮切りに都内を始め全国展開を目指しているという。

「弧廻手形」という銚子電鉄一日乗車券付き鑑賞券を発売しているので、映画を観て銚子電鉄を支援することができる仕組みである。ヒットすることを期待したい。

以上のように、手を変え品を変え、様々な取り組みで経営危機を乗り切ろうと涙ぐましい努力をしている銚子電鉄。6.4kmというミニ路線でありながら、筆者の知る限り、乗って楽しい路線である。

筆者撮影
 

銚子市内を見下ろしながら丘陵地帯を走り、切りとおしを抜け、畑の中を進み、犬吠埼灯台を眺めながら、漁港の外川まで変化にとんだ20分少々のミニトリップを楽しめる。観音駅や犬吠駅のようなヨーロッパ風の瀟洒な駅舎があるかと思えば、終点外川駅はいかにもローカル線の終点にふさわしい木造駅舎で、まもなく100周年を迎える。

車両も、東京の京王電鉄から四国の伊予鉄道を経てやってきた中古の中古で、塗装こそ変わっているもののスタイリッシュな電車だ。仲ノ町駅に隣接した車両基地は、おもちゃ箱をひっくり返したような雑然とした雰囲気の中に、ドイツ製で凸型の小型電気機関車デキ3や歴代の電車を間近に見学することもできる。

魅力のぎっしり詰まった愛らしい鉄道だけに、何とか持ちこたえてくれるよう、実際に乗りに行ったり、通販で個性的な商品を購入したりして応援できればと思う。

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