なぜBTSは寄付や啓蒙活動に注力するのか?原体験は「ホームレスの言葉」

エンタテインメントと社会還元の関係性
平松 道子 プロフィール

この番組の中でBTSは、米国黒人のHIPHOPアーティストであるチューターと共に、LAのスラム街スキッド・ロウに出向き、ライブの運営資金獲得という目的で稼いだアルバイト代で食料を購入、ホームレスたちに配っている。

スキッド・ロウに行く前は、なぜ自分たちが苦労して稼いだお金を見ず知らずのホームレスに? と疑問を抱いたメンバーもおり、私自身も恥ずかしながら、なぜアイドルがわざわざこんなことを? と不思議に思いながら当時番組を見ていた。

チューターはホームレスに食料を配りながら、彼らに社会に還元することの意味を教えている。

チューターがホームレスに何か知識と助言を与えてくれないかと話すと、「他の人になろうとせず、自分を見失わないように自信を持って生きることだ」「落ちるのはあっという間で、誰にでも起こりうることだ。だからこそ、自分たちがどこから来たのか。そのルーツを忘れてはいけない」――様々な言葉がホームレスたちから聞かれた。

当時10代後半から20代前半だった彼らは、この経験を衝撃的で忘れられない出来事だったと口をそろえて話しており、今の彼らを作った要因の1つになったのではないだろうか。

 

BTSが強烈に示したこと

今年6月、BTSと彼らの所属事務所BigHitはBLM運動に対して1億円の寄付を行った。

このニュースが報道されるとすぐにBTSのファンの有志がオンライン上に募金サイトを構築、SNSでその活動が拡散され、1日もしないうちに同額の寄付金が集まり、この一連の出来事は非常に大きく世界中で報道された。

ファンの方はご存知だと思うが、メンバーのJINはユニセフ韓国委員会に1000万円以上を寄付した後援者たちの集まり「UNICEF HONORS CLUB」の会員であるし、グループとしても2017年11月からUNICEFと共に「LOVE MYSELF」キャンペーン通じ、全世界の児童と青少年を暴力から保護するEND VIOLENCEを訴え、ライブ会場での啓蒙活動も行っている。

COVID-19関連ではメンバーのSUGAが故郷の大邱にいち早く寄付し、さらにBTSとBigHitでは、アメリカが本社のライブ企画会社Live Nationが行う、COVID-19の影響を受けた公演スタッフのための寄付キャンペーン「Crew Nation」に100万ドルを寄付し、2020年に予定していたBTSのワールドツアーのスタッフ支援にも活用されているという。

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