SNSなどで、体型に関するポジティブなメッセージを配信し、フォロアーを増やしているプラスサイズモデルの吉野なおさん(モデル名:Nao)。なおさんが唱える「ボディポジティブ」をテーマに始まったこの連載。

過去2回の記事(1回目2回目)は多くの人に読まれ、話題と共感を集めたが、その反面『ボディ・ポジティブ』の意味が理解できず、「太っているのは不健康」「デブは害」といったコメントもあった。そこで今回は、そもそも『ボディ・ポジティブ』とは何か、をなおさん節で綴ってもらうことに。

決して、太っている人だけの主張ではなく、誰もが感じている体の問題であることがわかるはずだ。

なおさんがSNSにアップし、話題になったダイエット広告のパロディ。

ボディ・ポジティブ=「デブエット」ではない

私が唱えている「ボディ・ポジティブ」の概念を勘違いして、嫌悪感を示す人がいるらしい。

改めてお伝えするが、ボディ・ポジティブとは「どんどん太ろう!」「毎日マヨネーズを吸おう!」「毎晩のジャンクフードが最高!」「めざせ100kg!!」と言ってダイエットと対極にあたる太る方法『デブエット』『デブ活』を提唱しているものではない。

 

元々は、これまでずっとネガティブに扱われてきたふくよかなボディイメージを、ポジティブに捉えて自分の体を愛そう、と欧米で生まれたムーブメントだ。痩せている人を否定するものでも無いし、むしろあらゆる体について認め合おうというものである。

身体は「わたし」あるいは「その人」という存在・命の一部であり、たとえ本人が嫌だと思っていても一瞬で変えられるものではない。だからこそデリケートで、尊重するべきもの

もしもピアノが弾けたなら思いのすべてを歌にして君に伝えるところだったけれど、私はピアノが弾けないので粛々と文章で伝えていくことにする。

3年前にドイツで民族衣装『ディアンドル』を着たときの吉野なおさん。これを着てビールを飲むのだとか。写真/吉野なお