「しんぼる」はもう終わりのつもりだった
――2019年のM-1は、ぼる塾が3回戦、しんぼるが準々決勝まで進みました。コンビとユニットの両方を続けるという選択肢はなかったのですか。
あんり:なかったです。結果はしんぼるのほうが上だったんですけど、その理由を私もはるちゃんもわかっていた。ぼる塾が楽しいからしんぼるの漫才も楽しめたというか…。(しんぼるの漫才は)もう最後だと思っていたので。
きりや:うんうん。
あんり:もうこれで終わりにしよう、といった思いが、自分たちにもどこかにあって。ぼる塾を結成しなくても、もうしんぼるでやることはないという気持ちで挑んだので、そこまで行けたという気がしています。
きりや:そうなんです。
あんり:もともと、ぼる塾のツーマンライブをやる前くらいに、“しんぼる解散の危機”みたいなときがあったんです。私がやっていく自信をなくして、漫才自体も楽しめなくなってしまって…。
そんなときに、ぼる塾という形が見つかって、また漫才が楽しくなった。だから、はるちゃんに、「もし田辺さんと酒寄さんに断られたら、私はもう、しんぼるではできない」と伝えていました。でも、お二人が一緒にやってくれるということになったので、今も続けられています。

「芸人辞めても、2人で別のなにかをやろう」って
――酒寄さんの産休育休に際して、猫塾解散の話は出なかったのですか。
田辺:そのときには、ありませんでした。逆に、そのちょっと前に、もう辞めようかという時期はあったよね。
酒寄:うん。
田辺:いつだったかな。お子さんができる前に、1回、もう辞めようって、社員さんと作家さんに2人で言いに行きました。「芸人辞めても、2人で別のなにかを楽しくやろう」とか言ってた気がします。
酒寄:うふふ。「同じ職業をやろうか」みたいな話をしてたよね。
田辺:そうそう。