まず、SMバーにやってくるM男性の多くは女性に服従し、肉体を拘束されたり、時には肉体に傷をつけられることを望んでやってくる。異性愛ベースの性風俗ではあるが、一般的な風俗とは内容がかけ離れており、客の性癖も秘匿性が高い。だからこそ、普段は話せない自身の性癖を語り合える秘密の場所として、SMバーは成立していた。
またゲイ風俗でも、風俗店以外では自身のセクシャリティを誰にも話せず、孤独を背負って店にやってくる客がたくさんいたのを覚えている。

そんなふうにしてSMバーやゲイ風俗に来る人たちの多くはとても優しく、単なる性的快感だけでなく、人とのコミュニケーションを求めて店へ来ているように見えた。

-AD-

でも、僕を風俗店に誘った上司はこの点が違うように思う。彼がコミュニケーションしようとしていたのは店のキャストではなく、一緒にサービスを楽しむ同行者なのではないだろうか。

実際、男性向けの一般風俗で働いていた知人の女性たちから、キャストを人として見ていないような横暴な態度の客が多いというエピソードをよく聞いていた。SMバーやゲイ風俗にもそういった客は多少いたが、一般的な風俗店で働く女性セックスワーカーのほうがそうした客に遭遇しやすい印象がある。

それは、女性からの性的なサービスを受け取るのは当然の権利であり、彼女たちを人ではなく商品だと思っている男性の多さを物語っているように思う。