累計10万部を突破し、ますます好調なゴルフ界の最新大ベストセラー『世界標準のスイングが身につく科学的ゴルフ上達法』シリーズ。
「実践編」の刊行を記念した著者・板橋繁コーチへの連続インタビューは、いよいよ今回が最終回!(でも、記事末尾に、今後の新展開の予告があります!)
第9回のテーマは、パッティング。「カップにねじ込む」必勝ストロークの最重要ポイントとは?
最先端のスイング理論に基づいた「世界標準のスイング」でスコアアップを目指せ!
(取材・文/水品 壽孝)
入れられたら、入れ返す
ダスティン・ジョンソンが、初の年間王者に輝いた2019−2020年のPGAツアー。
プレーオフ・シリーズの第2戦、BMW選手権で2位につけていたジョン・ラームが優勝し、トップを走るジョンソンとの差を詰めたことで、年間王者争いは最後まで目が離せなかった。
圧巻だったのは、BMW選手権の最終日だ。6位タイからスタートしたラームは、大会を通じてベストスコアとなる64をマーク。ジョンソンに1打差をつけて暫定首位でホールアウトしたが、最終18番でジョンソンも意地を見せる。約13mの難しいスネークラインをねじ込み、プレーオフに持ち込んだのだ。
プレーオフの1ホール目。
ラームは2オンに成功したものの、カップまで約20mの距離を残した。しかも、右に大きく切れるスライスラインで、バーディはおろか、パーセーブも危ぶまれる状況だった。
しかし、ラームの打ったボールは大きく右に曲がりながらラインに乗り、ど真ん中からカップイン。この奇跡のバーディパットによって、ラームがジョンソンを下し、優勝をもぎ取ったのだ。
入れられたら、入れ返す──。まさにプロのパッティングを見せつけた試合だった。
Two crazy putts.
— PGA TOUR (@PGATOUR) September 1, 2020
20 minutes apart.
Can't.
Stop.
Watching. pic.twitter.com/ZqnJckIj2S
ミラクルパットの共通点
ところで、2人のパッティングには、ある共通点があることにお気づきだろうか?
ズバリ、「フォワードプレス」だ。
ジョンソンもラームも、グリップエンドを目標方向に倒す、フォワードプレスの動作をおこなってから、バックスイングを開始している。それがよくわかるのが、プレーオフ・シリーズの最終戦、ツアー選手権の初日に、2人が同じ組で回ったときの映像だ。
この日、一方がバーディパットを決めると、もう一方が入れ返すという展開で互いに譲らず、ともにバーディを奪ったホールが、じつに5ホールにのぼった。2人のパッティングを見ると、「フォワードプレス→バックスイング」という流れは、ショートパットからロングパットまで変わらない。
2人はいったい、何のために、このフォワードプレスをおこなっているのだろうか。板橋氏に聞いてみた。
理由は、2つあるという。