2020.08.30
# スポーツ

全アマチュアゴルファーに告ぐ。秘技「裏面バンカー」を体得せよ!

集中連載「科学的ゴルフ上達法」第8回
板橋 繁 プロフィール

ズバリ、「エクスプロージョンショット」という言葉に対する誤解だ。

そう、渋野がポットバンカーを脱出するために最終的に使ったショットである。

エクスプロージョンショットとは、文字どおり、砂を爆発(=エクスプロージョン)させるように打つショットのことだ。クラブヘッドでバンカーの砂を爆発させ、砂と一緒にボールをフワリと打ち上げるので、ポットバンカーのように壁が垂直に切り立った深いバンカーからでも、脱出することができる。

【写真】タイガー・ウッズのバンカーショット タイガー・ウッズのバンカーショット photo by gettyimages

バンカー、特に、グリーン周りのガードバンカーでは、必須のテクニックだ。

砂をどう爆発させるか?

板橋氏によれば、バンカーが苦手な人は、エクスプロージョンショットで砂を爆発させる方法を勘違いしているのだという。

「バンカーが苦手な人は、鋭角的にクラブを振り降ろし、リーディングエッジからクラブヘッドを砂に打ち込むことで、砂を爆発させようとしている人がほとんどです。しかし、この打ち方ではヘッドが砂に突き刺さり、抜けていかないので、ボールがうまく上がりません。その結果、いつまで経ってもバンカーに対する苦手意識が消えないのです」(板橋氏)

では、プロたちはどのようにして、砂を爆発させているのだろうか。

「エクスプロージョンショットを成功させるカギは、クラブヘッドのバンスを使うことにあります。バンスを使って、砂を爆発させるのです」(板橋氏)

バンスとは、ウェッジのフェースの裏側にある三角形の出っ張りのことだ。

【図】バンス角クラブヘッドのバンス

シャフトを地面と垂直にしてクラブを地面に置いたとき、リーディングエッジから地面と平行に引いた線とソールに沿った線がつくる角度がバンス角で、バンス角が大きくなるほど出っ張った部分が増え、バンスも大きくなる。エクスプロージョンショットでは、このバンスを使って砂を爆発させ、ボールを上げているという。

どういうことか?

「ウェッジのフェースを開き、フェースが上に向くように地面に置いてみてください。すると、リーディングエッジが浮き上がり、クラブヘッドのソールではなく、バンスの部分が接地しているはずです。

この、フェースが上を向いた状態で砂の上にヘッドを落とすのが、エクスプロージョンショットです。フェースを上に向けたままヒール寄りのバンスから接地すると、ヘッドが砂に跳ね返され、フワッと浮き上がってきます。そのとき、ボールの下に入ったクラブフェースが、砂とボールを一緒に持ち上げてくれるのです」(板橋氏)

秘技「裏面バンカー」──成功させる2つのポイント

G1メソッドでは、このエクスプロージョンショットを、「裏面バンカー」ショットとよんでいる。

ダウンスイングでフェースを上に向けながらクラブを落下させる「裏面ダウン」の動きから、そのままフェースを返さずにクラブヘッドの裏面、バンスのヒール寄りで砂を叩くように打つことがその名の由来だ。

「裏面バンカーでは、バンスで砂に弾かれたクラブヘッドがフェースを真上に向けたままフワッと浮いてくる感覚が非常に重要です。ヘッドが浮き上がったときに、砂とボールも一緒に持ち上げられます。ヘッドの跳ね返りを感じない人は、ボールをうまく上げることができません」(板橋氏)

板橋氏によれば、この「裏面バンカー」ショットを成功させるポイントは2つあるという。

1つめのポイントは、「グリップの強さ」だ。グリップはできるだけソフトに握ることが正解。クラブを強く握ってしまうと、クラブヘッドの重さを感じることができないからだ。力を抜いてグリップし、右腕をやわらかく使ってクラブの重さを感じながら裏面ダウンをおこない、フェースを上に向ける動作が大切だという。

「ゴルフボールを使って、かんたんにチェックする方法があります。

右手の親指、人差し指、中指の3本でゴルフボールを軽くつまんで、テイクバック。切り返しからアンダースローの投手のように右脇腹の前に右ひじを入れてきて、右前腕部を回外(外側に回すこと)し、右手のひらを上に向けてみてください。このとき、手の力が抜けていれば、親指と人差し指のあいだからボールがこぼれ落ちます。それと同じくらいの力加減でクラブをソフトにグリップし、右腕をやわらかく使います」(板橋氏)

2つめのポイントはなにか?

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