あまりに複雑な「米中対立」、安倍辞任で大混乱の日本政府は生き残れるのか

ともかく日本は梯子を外されないよう
山本 一郎 プロフィール

貿易交渉は静かに進展している

例えば、米中両国の政府は新型コロナウイルスの感染が拡大して以降初の正式協議を5月8日に電話で実施しています。

これは、2020年1月に署名し1月15日に公表している両国間の貿易協議での「第1段階合意」を巡っての内容ですが、その後、8月24日にアメリカの農産品やエネルギー関連材を中国が輸入促進し、知的財産権保護の強化やアメリカ企業に対する障壁の撤廃、技術移転の強制の廃止を行う件について中国が適切な措置を取っていることを確認しています。

米中ではこの貿易交渉に進展があったことで、少なくとも米中の経済対立においては一定の話し合いの余地を残しながら、それ以外の分野でつば迫り合いをしていることになります。

一連の米中貿易交渉の進展が確認されているものの、その一方で、我が国のジェトロ(日本貿易振興会)の推計によれば、実際には20年今上半期の対米輸入は4.4%減少と報じています。コロナ禍が中国を先に襲っていたことを勘案しても合意内容にはほど遠い状況になっているのもまた事実です。

 

ここでトランプさんが「中国がアメリカ製品を買わなければ交渉は進められない」と強い口調でモノを言うのも、11月3日に迫るアメリカ大統領選挙に向けての単なる口先パフォーマンスというだけでなく、かなり本気で中国とのディールでしっかりした果実を得ようと躍起になっている図にも見えます。(「米中が第1段階貿易合意巡り協議-『双方が進展確認』とUSTR」ブルームバーグ、「中国の上半期の対米輸入は4.4%減、米中合意の目標額達成は遠く」ジェトロ「米国が中国24社を制裁リスト追加、個人の査証制限-南シナ海問題で」ブルームバーグ)

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