2020.09.05
# ライフ

制約だらけの日本の「住居問題」に対する、若者たちの一つの答え

固定された「自宅」なんていらない
花房 麗子 プロフィール

いま一番多様性がないのは「不動産業界」

現在、新型コロナ禍のため多くの日本人が困窮している。たとえば飲食店などの減収のあおりを受けて大学生がバイトを失い、下宿の賃貸料を払えなくなり退学の危機に追い込まれている、といったニュースが連日流れている。

日本の場合、ある土地で暮らすためには不動産を購入もしくは賃貸し、住民票を居住地に移して、職場や通学先に通う。そうした「固定された日常」が常識だった。

だが、ハフの大瀬良亮代表は言う。

2018年にハフを立ち上げた大瀬良亮氏(左)と砂田憲治氏

「僕と共同代表の砂田は大学時代からの友人で、酒飲み仲間でもありました。あれこれと理想を話していく中で二人の意見が一致したのは、『日本の制度の中で、いま一番多様性を受け入れていないのは不動産業界だよね』ということ。

敷金礼金制度はもちろん、半年だけ住める家を探すことでさえ今の日本ではとても難しいし、たとえば2人暮らしに合った間取りなのに夫婦で住むのはOKでも、同性2人で住むのはダメだと言われてしまったりする。

貸し手側も法律的に賃貸借契約は1ヵ月以上でないといけない、とか制約があって、自由に暮らしをデザインできるように日本の法律はなっていないんですね。

 

それは、いま現在の家に、どれぐらいの人が本当に満足感を持っているんだろう? という問題提起にも繋がります。ある調査によれば、東京に住んでいる20~30代の半数以上は『仕事があるから東京にいる』という回答だった。別に東京にいたくているんじゃない。それっておかしくないですか? 

僕たちが掲げている“住み放題”は、みんなに『本当に帰るところを探す旅』をしてもらうこと。お客さんとして宿泊しただけではなくて、その土地の地元の人とふれあったりコミュニティと繋がりを持てば、ここに腰を落ち着けたい、という地を見つけられる可能性が高まると思うんです」

ハフの会員は、20~30代が7割。また登録者のうち5~10%が外国人で、コロナ禍で本国に帰れなくなった外国人の利用もあった
ハフの施設のひとつ「Tune Hakodate」。ハフの提携施設は、ドミトリーでも快適性の高い施設が多いのが特徴だ

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