「共用試験」という現実
そして、予備校利用者増加のもう一つの要因が、2005年より導入されたもう一つの国家試験、「共用試験」である。これは、医学部の3年生または4年生で受験する大事な試験だ。
共用試験とは、臨床実習前に実施する評価試験のことで、実技試験であるOSCE(オスキー)と、知識を問われるCBTがある。かつては国家試験で出題されていた「基本的な医学知識を問う問題」が含まれていることから、低学年からの対策が必要となってきた。
共用試験後は、臨床現場での実習期間となるが、国際基準に合わせて実習期間が長くなり、実習と試験対策の両立が難しくなっている。こうして、試験のための学習が遅れないよう前倒しで予備校を利用する人が増えているのだ。
また、近年では、卒試対策や国家試験対策を医大・医学部当局(大学側)から依頼されるケースも増えているという。効率の良い学習の方法や予備校の教材を採用することで、実習と座学の両立をサポートすることが目的である。