2020.10.04

超難関「東大医学部」合格者でも落ちる…? 知られざる「医師国家試験」の凄まじい世界

原田 広幸 プロフィール

医師国家試験は「実用」重視に

――国家試験の全体的な傾向や推移について教えてください。また、2019年度の国家試験の結果をどう見ていますか?

日高:少し遠回りに説明します。かつては、国家試験に合格すると、出身大学の「医局」に入局し、無給で初期研修を実施していました。その時は、医局の権威と人事権に縛られながらも医局から守られていましたが、現在では、マッチング制度が導入され、初期研修病院を自分で選べる(マッチング)ようになったのです。

この制度により、無給から有給となり、医局による縛りから解放されるのと同時に、初期研修から「医師としての戦力」を求められる結果となりました。このような状況から、即戦力になるための策として、国家試験の問題が変化してきたのです。

知識を問う問題から、臨床現場で求められる知識や思考を問う、実用に近い内容の出題傾向が進んでいます。つまり、かつては純粋な知識問題、一対一で答えを出すような問題が多かったですが、現在では判断力や臨床センス、因果推論を試し、応用力をみるような試験に変わっていきました。

2019年度の国家試験は、例年に比べ、学生が迷う問題が少なく、きちんと学習していれば解き易い問題が多かったようである。例年は必ずあるはずの、講師によって解答が割れるような難問はほとんどなかったという。

その結果、近年中ではもっとも高い92.1%の合格率となった。合格者数が増加したことは、新型コロナの影響を鑑みた、医師不足への対応などであったのかもしれない。

 

さらに現在この予備校では、学習面にとどまらず、様々なサポートをトータルで行っている。医師の養成は、医学部だけでなく、社会全体で行っていると考えると、効率的に国家試験に合格するための予備校の役割は年々大きくなっていると言えるだろう。

例えば、上記で説明した研修医と受け入れ病院の「マッチング」のサポートも予備校の新しい役割の一つだ。研修医に対し、面接指導や社会のマナーを指導を施すなど、一人ひとり個別には対応できない大学に代わって、予備校が就活のエージェントのような役割を担っているのだ。このように、医師と病院の間のミスマッチをなくすことによって、社会に貢献することができると考えているという。

SPONSORED