「さしがね」の使い方
さて、このように、実は円周角の定理を日常の意外なところに役に立ってくることがわかりましたね。せっかくなので、古くから活用されている円周角の定理に関連したもうひとつの話を紹介しておきましょう。
それは、「さしがね」、別名曲尺(かねじゃく)と呼ばれる道具です。聞いたことがない方もいるかもしれませんが、定規をL字型にしたような道具といえば、お分かりになるでしょうか。

「さしがね」の使い方はいくつかありますが、丸太の大きさを測るときにも活用することができます。

このように、Pを円周上に置くと、円周とさしがねが他の2点でも交わります(その2点をA、Bとします)。円周角の定理のもう1つの性質、中心角は円周角の2倍であるという性質を用いると、角P=90度なのでABと中心Oが作る角度は180度、つまりABは直径をとることになります。あとはABの長さを測れば完了です。さしがねさえあれば、一瞬で円の直径を見つけることができるわけですね。
余談ですがこの「さしがね」、表面は普通の目盛りですが、裏面は目盛りの幅が少し異なります。一目盛りの幅が約3.14分の1倍されたものと、一目盛りの幅が約1.41倍されたものになっているのです。それぞれで直径を測ると、目盛りの読みから、円周の長さ、あるいは、その丸太からとれる角材の1辺の長さ、が計算することなく求められるのです。
なかなか出会う場面はないかもしれませんが、ぜひさしがねを見かけた際にはこの目盛りの幅を確認してみてください。
円とロープを使った問題
つづいて、円とロープを組み合わせた面白い問題を2問ご紹介しましょう。
1問目は缶をロープで束ねるときのロープの長さについての問題です。色々な形が作れる6本の缶の場合を考えてみましょう。

6本の缶をなるべく短いロープで結ぶとしたら、どのような結び方がよいでしょうか。少し考えてみて下さい。