この問題の計算自体はそこまで複雑ではありません。
ようするに、地球よりも半径が1メートル大きい円の円周を考えればよいのです。
地球の半径は円周÷円周率÷2(=40075000÷π÷2)で求められます。この半径よりも1メートル大きくすればよいので、1メートル浮かせたロープで作る円の半径は(40075000÷π÷2)+ 1 メートルとなります。
これでまた1周の長さを計算して、地球1周との差を計算すればよいのです。
ロープ1周の長さ=(40075000÷π÷2 + 1)× 2 ×π
地球1周との差分=(40075000÷π÷2 + 1)× 2 × π - 40075000
=2π
となります。よって差は2πメートル、つまり約6.28メートル追加すればよいことになります。
たった6.28メートルで地球1周すべての場所に1メートルの隙間を作ることができる、という不思議なことが起きています。地球の1周40075000メートルと比べると、とても少なく感じます。
また、もう少し踏み込んで考察してみると、計算過程で地球の半径の数字が打ち消し合って消えているということがわかります。これはなにを意味しているのでしょうか。実はなんと、地球だけでなくあらゆる円形のもので同様の問題を考えても、導かれる答えが同じになるのです。
ためしに、円周が1メートルの球(直径30センチメートル程度)で考えてみると、以下のような計算になります。
計算式=(1÷π÷2 + 1)× 2 ×π- 1=2π
というわけです。ぜひ、この不思議な結果は実際に試して体験してみてほしいです。
前半では円の性質を活用する方法を、後半は円に関するちょっと不思議な問題を紹介しました。円にはまだまだ不思議な話が潜んでいます。またどこかの機会で紹介していきたいと思います。