カレーと一括りに言っても、双方はまったくの別物だ。にもかかわらず、報道によればココイチはインド初出店に際して「現地で受け入れてもらえると期待している」と自信をのぞかせている。
果たしてココイチに勝算はあるのか――「カレー総合研究所」代表で、カレー専門のコンサルティングを行う井上岳久氏に解説してもらった。
海外での成否を決める「知名度」
ココイチがカレーの本場であるインドで成功を収めるにあたって、まずカギとなるのは、ココイチ自体の「知名度」です。
例えば、異なる飲食業態の1つ、ラーメンで考えてみてください。ラーメンもまた、カレーと同様、ルーツこそ海外にあるものの、製法、味、食材などが日本国内で独自に発展を遂げた料理です。
そんな日本のラーメンですが、すっかり外国人にもお馴染みとなり、チェーン店、個人経営の店問わず、世界各国で店舗を拡大させています。ここで重要となるのが、日本への来訪者が多い国ほど、日本のチェーン店は受け入れられやすい、という点です。
外国人が旅行や出張で日本を訪れ、そこで街中に溢れるチェーン店の存在を知る。さらに、そこで味を知ることで、「母国でも食べたい」という動機付けが初めて生まれるわけです。つまり「知名度」ありき、とも言えます。
そしてココイチもまた、日本への来訪者が多い国ほど、海外進出も上手く行っているようです。