「私のような年配の人間には難しいが、若者なら話は違う。インドの若者は、新しい料理を受容することができる。つまり、彼らに『新しい食べ物』としてマーケティングすれば、ハマる可能性がある」
この校長が語るように、実際インドの若者たちは、これまでインドで伝統的に食べてこなかった料理や食材だとしても、好奇心旺盛に食べるようなのです。

例えば、生魚のサーモン。本来、ヒンドゥー教徒の中には肉同様、動物性食品として食べない人もおり、サーモンも伝統的に食べて来られなかったと言います。ところが若者には今、大ブームと聞いています。
インドといえば“ボリウッド”と評されるように映画が盛んな国なので作品に絡める、あるいは有名なカリスマ料理人を使う……。方法はなんであれ、若者たちに「ココイチのカレーってオシャレ、イカしている」と思わせることができれば、普及する可能性は十分にあると言えます。
インドならではのメニュー戦略も必要
知名度、若者からの支持に続く成否のカギを握る3つ目の要素が「メニュー戦略」です。
ココイチも、従来のカレーのままではインド人には太刀打ちできない、と考えているのでしょう。インド1号店では、肉や魚を含んでいないカレーソースを使ったり、牛肉と豚肉をトッピングから外し、鶏肉やヤギ肉、菜食主義者向けの肉を使わないカツを用意しているそうです。
ここで気がかりになるのが、インドのカレー文化にとって無くてはならない「スパイス」の存在です。