先月、米国で起きた白人警官による黒人男性への銃撃事件に対する抗議として、プロテニスプレーヤーの大坂なおみ選手がウエスタン・アンド・サザン・オープン(ニューヨーク)の準決勝への棄権を表明したことが波紋を呼んだが、このとき、一部の日本人から否定的な反応が相次いだことに、私は一人の日本人として大きなショックを受けた。
もちろん、賛同するも反対するも個人の自由である。でも私が特に衝撃を受けたのは、その否定的な意見の多くが「差別への無理解」からきているという点だ。
「自分はアスリートである前に一人の黒人女性であり、その立場からいま何より考えてもらいたい問題がある」と英語、日本語でそれぞれ思いを伝えた彼女に対して、「黒人としてそんな行動をするなんて日本人じゃない」といった目を疑うようなヘイトスピーチまであった。
上記のような一部の日本人の反応には海外からも驚きの声が上がっており、大坂さんのツイートにはそうした海外の人たちの返信がいくつも寄せられている。私はこの問題は、「一部の無理解な人達の行動」と切り捨ててはならない、日本社会全体が向き合うべき問題だと感じている。