みんな音を上げた
例えば、今年5月のこと。済生会中央病院の関係者から防護服が不足しているという話を聞いた紀子さまは、職員たちにこう告げた。
「私たちと有志の職員で防護服を作って、病院に届けましょう」
先の宮内庁関係者は「有志」という表現が恐ろしいという。
「こう言われて、『私は参加しません』と言える職員はいません。紀子さまは同じ仕事を複数の職員に振って、それを競わせるのです。
ポリ袋を用いた『手作りガウン』を作る作業が遅かったり、出来が悪かったりすると一つ一つ注意されます。
このような厳しさは、ご活動の内容をよりよいものにしたいという熱心さの裏返しでもありますが、『いくらなんでも度が過ぎる』と音を上げる人たちも多い」
そもそも秋篠宮と宮内庁のあいだには大きな溝がある。事務方の職員のうち、宮内庁本庁での勤務経験のある人材はわずか2~3人ほど。他は警察庁や経産省などのキャリア官僚、別の省庁や都道府県、あるいは民間からの寄せ集めなのだ。
現在、皇嗣職大夫としてトップの地位にある加地氏は宮内庁の総務課長を務めた経験もあるが、もともとは警察官僚。
秋篠宮家には皇位継承順位の1位と2位の皇族がいるというのに、宮内庁のプロパーがサポートできていないという異常な事態が続いている。
「宮内庁には皇嗣担当になるくらいなら退職するという職員も多い。それほど混乱した現場として恐れられているのです」(宮内庁OB)
御難場での職務で疲れ果て、去っていくのは前出の石川氏だけではない。8月1日には内閣府から出向していた泉吉顕氏が依願免職、そしてもう一人総務省からの出向者も、「退職するのは時間の問題」と噂される。
他にも航空会社から転職した職員、悠仁さまが附属中学に通うお茶の水女子大学の関係者などが次々と職を去った。