オンラインでの売り上げが2~3倍に
植物をモチーフにした大胆なデザインとビビッドな色合い。大地のパワーを感じさせるアフリカンプリントで作られたバッグが今、注目を集めている。スタートアップ企業「RICCI EVERYDAY」(リッチー・エブリデイ)の主力商品だ。
代表の仲本千津さん(35)は元銀行員。退職後、笹川アフリカ協会(現ササカワ・アフリカ財団)に転職し、2014年からウガンダへ。駐在員として農業支援にかかわるなか、鮮やかな布たちに魅せられ商品化を思いつく。女性たち一人ひとりと丁寧に向き合い、縫製技術を高めてもらった。東京の代官山に自店舗を持つほか、百貨店などでのポップアップショップなどでじわじわとファンを増やしてきた。
新型コロナウイルスによる世界的パンデミックにも負けず、業績は右肩上がりを続ける。オンラインでの売り上げが前年の2~3倍に。リモートでパソコンの前にいる人が増えたからだろう。それまで通販はバッグだけだったが、名刺入れなどすべての商品をオンラインで購入できるよう態勢を整えた。
「お客様に喜んでいただいているようで、本当に有難いです。直接お会いして販売するのが難しくなった4月くらいから、どうやって(お客さまと)関係性を構築していけばいいのか、スタッフとも何度もミーティングしました」と仲本さんは話す。
インスタライブを実施したり、ブログを頻繁に更新したりするなどコロナ禍でも発信を継続。9月からは「Akello Box(アケロ・ボックス)」と名付けたサブスクリプションを始めた(アケロとは「幸運をはこぶ」の意)。マンスリーのギフトボックスには、アフリカのドライフルーツにコーヒー豆やハーブティー、アフリカンプリントを施した小物などを届ける。
例えば9月のギフトはエコストローとストローケース。ステートメントカードには、社会活動にも力を入れる女優エマ・ワトソンが国際女性デーに向けた印象的なメッセージが書かれたカードやサスティナビリティに関する冊子をしのばせた。ウガンダの女性たちの自立を見据えたソーシャルビジネスに挑む、RICCI EVERYDAYらしい取り組みだ。