累計11万部を突破した『世界標準のスイングが身につく科学的ゴルフ上達法』シリーズ。
同シリーズの著者は、ジェイソン・デイの母校であるオーストラリアの名門・ヒルズ学園ゴルフ部の元監督で、現在はゴールドワンゴルフスクールを主宰している板橋繁氏。そこで紹介されている最新のスイング理論に基づいた「G1メソッド」は、板橋氏が長年に渡る豪州での指導経験を元に考案した、世界標準のスイングを身につけるための最も効率的な方法にほかならない。
実際、G1メソッドを実践することで、スイングが大変身。飛距離を伸ばし、スコアを縮めているゴルファーが続々と誕生している。
その一方で、一連のシリーズを読み、G1メソッドにチャレンジしたものの、成果が出ずに挫折してしまうゴルファーもいるようだ。その大きな理由は、G1メソッドが、これまでの日本で常識とされてきたゴルフ理論とあまりにかけ離れている点にあると想像する。
「ヘッドは走らせない」「リストを返さない」「つねに右手が下」など、いままでのスイングとはまったく違う動きを要求され、戸惑っている人も多いのではないか。
そこで今回は、「科学的上達法」の特別編として板橋氏を直撃。なかなか結果が出ないという読者からの疑問に、ズバリ答えてもらった。G1メソッドでスイング改造にチャレンジしている方にも、ぜひ参考にしていただきたい。
(取材・文/水品 壽孝)
「シャットに上げる」はなぜ間違いか
Q 「バックスイングはシャットに上げるのがいまのトレンド」とよく耳にします。その点、G1スイングは、時代に逆行しているような気がするのですが……?
板橋 いえいえ、時代に逆行はしていませんよ。「フェイスを開きながら上げていく」のが、いま世界では主流になっています。
たしかに、ダスティン・ジョンソン選手や渋野日向子選手はシャットにクラブを上げていますが、あれは2人に類まれな柔軟性が備わっているからです。一般のアマチュアがフェイスを閉じてボールに向けたままシャットにクラブを上げようとすると、右肩が後ろに動かず、浅いバックスイングになってしまいます。
バックスイングでは右肩と右ひじを後方に引き、しっかりと肩を回すことが重要です。左腰にクラブのグリップ部分を当てて、シャフトの真ん中を両手で握ってください。その体勢から、両ひじが両腰を指したまま、右脇を開けずに右肩と右ひじを真後ろに引くようにクラブを上げていきます。すると、手元が腰の高さにきたとき、グリップの部分が左腰を離れてグリップエンドが飛球線の約45度右を指し、手のひらとクラブフェイスは斜め上を向いているはずです。
つまり、フェイスは開きながら上げていくのが理にかなった動きなのです。

(2)両ひじと両腰の動きを同調させ、両ひじが両腰を向いたまま、右肩と右ひじを真後ろに引くようにクラブを上げていく。 「グリップ」は左腰から離れ、グリップエンドが飛球線の45度右を指す。「グリップ」が左腰から離れない人は、クラブをシャットに上げている証拠! 手元が腰の高さまで上がったとき、右前腕部の橈骨側(親指側)とシャフトが90度になる。
手元が腰の高さまで上がっても、グリップの部分が左腰から離れない人は、クラブをシャットに上げている証拠です。必ず、グリップ部分が左腰から離れていくようにクラブを上げるようにしましょう。(集中連載「科学的ゴルフ上達法」第1回 ゴルフ界トッププロも実践!飛距離を伸ばす「バックスイング」の秘密https://gendai.ismedia.jp/articles/-/73284参照)
「裏面ダウン」がうまくいかない人の特徴
Q 「裏面ダウン」を意識してスイングしているつもりですが、飛距離がいままでと変わらず、方向性も安定しません。