元TOKIOの山口達也さんが酒気帯び運転で逮捕され、ワイドショーはいっせいにこのニュースを報じた。しかし相変わらずの人格否定や誹謗中傷、そして話を大げさに盛るという手法ばかりで役に立つ報道はほとんどない。
むしろTwitterなどのSNSの方がよほど「依存症は病気」「治療や自助グループに繋がれ」といったつぶやきが多く、完全に地上波テレビ自体が情報弱者に陥っている現状となっている。
今、山口達也さんとその周囲の方々がやるべきことは何か? 山口さん、そして同じ問題に苦しむ方々に向けて、依存症支援者の立場から綴ってみたい。

まずは依存症専門医で診断を
山口達也さんは恐らくアルコール依存症と思われる。いやむしろ2年前の女子高校生へのわいせつ事件が起きたときにこの診断がつくべきだった。
TOKIOの松岡昌宏さんも当時、「僕たちは依存症だと思っていたが、診断名がつかなかった」とおっしゃっている。実は、アルコールに限らず、家族や周囲の人間が「どう考えても依存症だ」と思い、本人をやっとの思いで医者に連れていっても「依存症」の診断名がでないことはよくある話である。
日本では依存症に詳しい医師は圧倒的に少なく、一般の人は「心療内科」「精神科」「メンタルクリニック」と掲げてあればどこでも適切な診断名がつくと思っているかもしれないが、残念ながらそんなことはない。
私などもギャンブル依存症の苦しみの最中に、街のメンタルクリニックに2ヵ所ほど行ってみたことはあるが、どちらも診断名は「軽いうつ」で精神安定剤、抗うつ剤、そして睡眠導入剤が出された。
もちろんそんな薬を飲んでも症状も状況も全く良くならなかった。状況が改善したのは、依存症の専門医にたどり着き、自助グループをすすめられてつながることができたときからである。