2020.10.14
# 商社

バフェットが投資した総合商社、株価は「伊藤忠」が独り勝ちのワケ

バフェットの真意と、進む「体質改善」
小出 フィッシャー 美奈 プロフィール

商社マンよりはモテない?「総合商社株」

商社マンは、今でも合コンなどでモテるらしい。実際、投資家ミーティングなどでも、ワイシャツにサスペンダー姿でオシャレにきめたエグゼクティブをお見かけしたことがある。ゴルフ焼けしたスポーツマンタイプ。もちろん、英語も流暢。他業界では、サスペンダー姿の役員はあまり見かけない。

でも商社株の方は、全般的にモテない。総合商社株の過去10年のパフォーマンスをTOPIX指数と比べると、30%から70%程度、出遅れている。世間のイメージと株式市場の評価が乖離している不思議な業界なのだ。

 

不人気の理由は色々ある。一つ目は、コングロマリット・ディスカウントと呼ばれるが、投資家からは「ラーメンからミサイル」まで、というのがあまり好かれない。色々やりすぎていて、事業の内容がよく分からないために全体の価値が低く見られてしまうのだ。

二つ目は、商社の伝統的な事業モデルの利益性が低いこと。「トレーディングカンパニー」とも呼ばれる通り、商社は「トレーダー」、貿易商として売り手と買い手を繋ぎ、中間業者として利鞘を稼ぐ。しかし、インターネットで世界の取引情報が入手できるようになった今日では、「メーカー直売」や「商社外し」の動きが強まって、受け取るマージン(料率)は下がる一方だ。

三つ目は、投資した事業の利益低下

2000年以降、商社は卸売モデルからの脱却を目指して、事業投資に力を入れてきた。それは、一種の「プライベートエクイティー投資」で、自ら様々なプロジェクトに投資をして、多角的な資産ポートフォリオを作り、それらを時々入れ替えながら、事業収入や売却利益を上げることを目的とする。

潜在性の高い、海外の大きな投資案件探しでは、プロジェクトの目利き、相手国の要人まで含めた幅広い人脈作りやファイナンススキームの計画など、「人」の資源が大きくモノを言う。まさに、商社の得意とするところだ。デキる商社マン、商社ウーマンの出番――。

ところが、2000年初頭に各社が競うように獲得した資源ビジネスの権益は、リーマンショック後、中国の成長鈍化や供給過多による世界的な資源価格の低下を受けて、裏目に出てしまった。三井物産の鉄鉱石、三菱商事のLNGや石炭事業などがその典型だが、大きな資源投資をやった商社では、資産の相次ぐ減損処理(帳簿上の価格が市場価格に見合わなくなった時に、実態に合わせて評価を下げること。会計上の損失が出る)に追われることになった。

資源価格が下がり、まだ減損処理が続くのではないかと心配される段階では、商社株はなかなか上がりにくい。

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