2020.10.14
# 商社

バフェットが投資した総合商社、株価は「伊藤忠」が独り勝ちのワケ

バフェットの真意と、進む「体質改善」
小出 フィッシャー 美奈 プロフィール

どうして?1人モテモテな伊藤忠

例外が、伊藤忠だ。

株の過去10年間のトータルリターン(配当を含めた利回り)は400%近くになり、TOPIX指数を2.5倍ほど上回る絶好調のパフォーマンス。株式市場の「合コン」で他の商社が総スカンを喰らった中、1人だけモテモテなのだ。

Photo by Gettyimages
 

なぜかというのを、株主が投資したお金で会社がどれだけ効率良く利益をあげているかという指標、ROE(株主資本利益率)で見ると分かりやすい。昨年度末のROEは、伊藤忠が15%近くあるのに対して、三井物産や三菱商事が8〜9%台、住友商事は3%台と、大きな差が出ている。

この資本効率の違いは、株価評価に直結する。

バフェット氏がなぜ総合商社に目をつけたかと言う憶測の一つに、株価指標の一つである「PBレシオ(株価/株主資本比率)」が低くて割安だから、という見方がある。PBレシオとは、株価(市場価格)と一株当たりの株主資本(簿価)を比べたもので、これが1を下回ると「簿価割れ」していることになり、一般的に「割安」と見なされる。伊藤忠を除く4社は、全てPBレシオが1を下回っている。

ただしPBレシオで株を比べる時には、帳簿に書いてある純資産価値が本当かどうか(市場に出したら、本当にその値段で売れるか)に気をつけないといけない。また同じ一株の株主資本であっても、会社によって上記のROE、つまり資本を使って生み出す利益(ひいては経営の質)が違うことにも注意しなければならない。一株資本あたりの利益の低い低ROE株は、市場からPBレシオで相対的に低く評価されても仕方ないということになる。

実際、ROEが15%と高い伊藤忠はPBレシオの評価が1.2倍を超えているが、ROEが3%台の住友商事は0.63倍と、市場評価が低い(株価は10月9日現在)。

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