片方が低いからといって安心は危険
ただ、左右の血圧差があったとしても、すぐに直接的な死亡原因につながるような心臓トラブルを抱えているわけではありません。まずは自分の血管の状態やリスクをしっかり把握して、食生活などの生活習慣に気をつければよいのです。
左右の血圧を測定したときに注意すべきは、低いほうの血圧を過大評価してしまうことです。
どちらかの腕が高く高血圧と診断されるゾーンに入っていても、低いほうの血圧が正常の範囲内だった場合、問題ないだろうと考えて、そのまま放置してしまうケースがあるのです。
なかには、ずっと片方の上腕だけで血圧を計測していて正常だと安心していたら、じつはもう一方の上腕の血圧が高い状態だったのに放置され、突然、心臓発作や脳卒中を発症したという患者さんもいます。

血圧が高いことで起こる病気は、狭心症、心筋梗塞、大動脈瘤、大動脈解離といった心臓病だけでなく、脳卒中や網膜症など、たくさんあります。片方の血圧が高ければ、こうした病気に対する注意が必要なのです。
自宅で血圧を計測する際にも両腕で測ることを心がけていただきたいものです。おおげさでなく、日頃からきちんと血圧の左右差を把握しておくことは、自分の命を守ることにつながります。