薬を飲んでいるなら、血液検査を定期的に行う
このように、季節の変わり目には心臓トラブルが増えるため、患者さんには普段よりも心臓の状態に注意するよう指導しています。
●うっかりして薬を飲み忘れないようにする。
●足にむくみが出たら、かかりつけ医に診てもらう。
といったことを確認します。そうやってこちらから声をかけておけば、患者さんは普段よりも心臓の状態の変化を気にするようになるため、深刻なトラブルの予防につながるのです。また、季節の変わり目には、心臓だけでなく腎臓や肝臓の状態にも気を配ることが重要です。

とりわけ高齢者が心臓病を管理していくには、どうしても降圧薬はじめ、投薬が必要になります。腎臓と肝臓は薬の最終的な「処理場」です。薬がきちんと効果を発揮できるかどうかは、腎臓と肝臓がしっかり機能しているかどうかによって左右されるのです。
かかりつけ医や病院で、2~3か月に1回は必ず採血して、腎臓と肝臓の状態を診てもらってください。もし、薬を処方するだけで、採血検査をしないところであれば、別の医師や病院を探したほうがいいでしょう。
***
【著者紹介】
天野 篤(あまの・あつし)
心臓血管外科医。。1955年、埼玉県蓮田市に生まれる。日本大学医学部卒業後、亀田総合病院(千葉県鴨川市)、新東京病院(千葉県松戸市)などで心臓手術に従事。1997年、新東京病院時代の年間手術症例数が例となり、冠動脈バイパス手術の症例数で日本一となる。2002年7月より順天堂大学医学部教授。2012年2月、東京大学医学部附属病院で行われた上皇陛下(当時の天皇陛下)の心臓手術(冠動脈バイパス手術)を執刀。。近著に『若さは心臓から築く 新型コロナ時代の100年人生の迎え方』(講談社ビーシー/講談社)などがある。
税別価格:1600円 著者 天野篤 / 講談社ビーシー/講談社刊
ISBN 978-4-06-521526-5
著者の天野篤医師(順天堂大学医学部教授)は、世界屈指の心臓外科医で、上皇陛下の執刀医。心臓を動かした状態で行う「オフポンプ術」の第一人者で、これまでに執刀した手術は9000例に迫り、成功率は99.5%以上を誇る。
本書は、「心臓病治療の今」と、「心臓病のサイン」、「心臓を守る暮らし方」、「寿命が20年は変わる薬との付き合い方」を網羅した、真に「人生100年時代」実現するためのもっともわかりやすい健康と心臓の本。