トランプは偽情報の牽引者
このほかにも様々な「フェイク」を利用してきたトランプ氏に関して、10月1日、コーネル大学のコーネル・アライアンス・フォー・サイエンス(Cornell Alliance for Science)の研究チームが、興味深い調査結果を発表した。
研究チームが導き出した結論はこうだ。
「トランプ氏が世界最大の新型コロナウイルスに関する偽情報(インフォデミック)の牽引者である」
研究チームは、2020年1月1日から5月26日の間に、世界中のメディアで発信された新型コロナウイルスに関する3800万本の英語の記事(従来型メディアとオンラインメディアの両方)を分析、その結果、2.9%に当たる110万本以上の記事が偽情報を掲載していたことが明らかになった。そして、偽情報を掲載した記事の37.9%に当たる42万3921本もの記事に、トランプ氏に関する記述が含まれていることがわかったのである。

様々なトピックでデマを拡散
研究チームは偽情報のなかでも、とりわけ注目すべきトピックスを11個あげているが、確かにトランプ発言に由来する偽情報が目立つ。トップ5を紹介してみる。
1.奇跡の治療法
最大の偽情報と指摘されたのは、4月に、トランプ氏が新型コロナウイルスの治療法として言及した「消毒液の注射を打てば治る」という“奇跡の治療法”。このジャンルの偽情報を掲載した記事の総数は29万5351本と、様々な偽情報のジャンルのなかでも最多だった。
“奇跡の治療法”に対して医療関係者から批判の声があがったため、トランプ氏は自身の発言は皮肉から出たものだと苦しい弁明をした。しかし、消毒液発言をした時のトランプ氏の様子が真剣そのものだったのは、誰の目から見ても明らかだった。