管理組合は不正の温床
今後、新型コロナの影響で日本経済は本格的な不況に突入する可能性がある。
イチゴ農家ご出身で「叩き上げ」とされている我らが新しい総理大臣は、政治家サラブレッド族ご出身の前任者よりも、国民や企業に自助努力を促すタイプではなかろうか。仮にそうなら、2020年の春以降に行われた給付金のバラマキ的な景気対策の追加は、どうやら期待できそうにない。我々はそれぞれ与えられた持ち場で可能な努力をおこなうしか、これからやってくる不況を切り抜けることができない、ということになる。
不況感が深まると、都心や湾岸の中古タワーマンションは約10年ぶりの資産価値下落ステージを迎えることになりそうだ。つまり、アベノミクスによるバブル的な高揚感は過去のものとなり、それぞれの物件の真の資産価値が試されることになる。

そうなるとタワマンも外観の華やかさや豪華な共用設備もさりながら、管理面の健全性や質実性が問われることになる。
特にタワマンにおいては、管理組合がとりわけ資産価値を維持するのに重要になる。管理組合には莫大なおカネが集まるがゆえに、それをいかに健全に扱うか、ということは最重要のポイントになる。管理組合の財務運営はそもそも「利権」である。そればかりか、時に犯罪の温床にもなる。
これから、健全な管理組合を持つかそうでないかによってタワマンの価値は大きく変わってくる。それはまさに天国と地獄とも言えるような運命の分かれ道である。
ここでは、管理組合の運営の良し悪しによって、物件の価格が大きく変動してしまった2つのマンションの事例を紹介しよう。
まず、私が知る中ではほぼ「最悪」ではないかと思えるケースだ。