築古物件で起こりやすい「積立金滞納」
いっぽう修繕積立金は、建物や設備の維持管理に必要となる費用を竣工当初からできるだけ均等に按分して負担、つまり一定期間において値上げのない「均等積立方式」が推奨されてはいるものの、実際には段階的に値上げ(おおよそ5年程度が目安)される「段階増額積立方式」を採用しているマンションの方が多い。
つまり、「管理費等」が値上げになったといっても、実際には修繕積立金の値上げを指すことが多い。ほとんどの場合、その値上げは計画どおりに進められるが、予期せぬ維持費の値上げが発生し、急な出費に苦しめられるケースが多発している。
では、どのような特徴のマンションで「予期せぬ値上げ」が起こりやすいのか。もし起こった場合、どんな悲劇が待っているのか、ひとつずつ見ていこう。
(1)滞納者が多い
修繕積立金の算定根拠は、長期修繕計画にある。いくら計画上で黒字でも、支払わない人が多いと、実際に回収ができていないので資金が足りない。特に悲惨なのは、1年以上も滞納している長期滞納者が複数人いるようなマンションだ。
いくら予算をたてようとも、実際には資金が集まっていないわけだから、何らか穴埋めをしなければいけない。真面目に支払っている所有者からすれば、理不尽きわまりない事態だ。
実際のところ、完成年次が古いほど「管理費等の滞納がある」マンションの割合が高くなる傾向がある。リノベーション済の築古物件で、いざ入居してみると長年住んでいる所有者がしばらく積立金を払っていなかった、というケースはそこかしこにある。
