親友に「急に外国人が家に来たらお父さんがびっくりするかも」と断られたことも

親友に子どもが生まれ、その時期に合わせて日本に帰国したことがあった。彼女の家にお祝いにいこうとした時のこと。

フランスでは、友人との集まりにパートナーを連れていくのが日常だ。結婚式などのオフィシャル行事も、基本付き合っているカップルで出席する。

フランスでは、「生活のベースにパートナーがいるので、祝い事もふたりで出席するのが当たり前」という考え方。Photo by iStock
 

日本では友人との集まりにパートナーを連れてくる習慣があまりないので一緒に行こうかかなり悩んだが、なかなか会えないせっかくの機会だし紹介もしたいという気持ちもあり、連れ立って行こうとした。

だが「急に家に外国人が来たらお父さんがびっくりするかもしれない」と、やんわりと断られた。

そこに悪意や悪気はまったくない。彼女のせいではなく、これが一般的な反応だと思うのだ。少しショックだったが、同時に日本の現状が知れて良かった。

間違いなく彼女のお父さんは驚くだろう。確かに日本の片田舎で、いきなり黒人が家に来たらと思うと、ごく自然な反応かもしれない。

大人になり、ある程度アイデンティティが形成されたあとならこういう反応を受けても大丈夫かもしれないが、もし子どもができて多感な時期に日本で育ったらどうなるのだろう。

人種が理由で否定されたりすることもあるのかもしれない。自分のルーツが嫌いになってしまうかもしれない。そう考えると、日本には住めないなと思った。