学術会議よりヤバい「孔子学院」について米シンクタンクが暴露した

多くの日本人が知らないその背景とは?

日本では報じられなかったこと

「中国との関係を言うなら、日本学術会議ではなく孔子学院だろう。米国の報告書も指摘しているじゃないか。中国からの留学生はもちろん、日本の学生も数多く関わっている」

政府関係者が、そう語る。米国の有力シンクタンク「戦略国際問題研究所(CSIS)」が今年7月、米国務省の支援を受けて作成した「日本における中国の影響力(China's Influence in Japan)」と題する報告書を指してのことだ。

同報告書は、二階俊博自民党幹事長と今井尚哉前首相補佐官を名指しのうえ、「親中派」としたことで話題になったが、今回は日本学術会議との関係から新たに注目されつつある。

これまで日本では報じられてこなかったことなども含んでいるため、この報告書の該当部分を改めて紹介しておこう。以下がその翻訳である。読みやすいように適宜改行を行っている。〈〉内は筆者注。

 

《孔子学院は、海外で教育支援プログラムを実施している代表的な機関としてもっともよく知られているが、中国共産党中央統一戦線工作部をはじめ、〈国外で〉影響力のある活動を行っている部門のネットワーク下に置かれている。〈ちなみに〉中央統一戦線工作部は、中国共産党の一部門で、エリートを含む党外や国外の人々に影響を与えることを目的としている。

同学院は、公式には(中国共産党との)友好の促進のためにあるとされているが、評論家や複数のインタビューによると、親切めかして実は悪意あるプログラムを潜在的に刷り込むことのよって、中国共産党のプロパガンダを広めたり、リベラルな言論を抑圧したり、情報収集に利用されたりする可能性があるという。

Photo by iStock

2004年に韓国で最初の孔子学院が開設されて以来、2018年の時点では全世界で548か所が設置されており、2020年までに1000か所を目指すとしている。しかしながら、2020年6月現在、漢語事務局〈孔子学院本部〉のウェブサイトには、〈同学院への〉綿密な調査が行われて閉鎖されることが増えたため、541施設しかリストアップされていない。

関連記事