2020.11.21
# ライフ # 本

大人が知らない間に「若者のライトノベル離れ」が起きていた…!

正確には「ラノベの中学生離れ」、なぜ?
飯田 一史 プロフィール

なお、人口減と書籍代減というマクロトレンドがあるにもかかわらず、対照的に児童書市場は2012年は780億円、19年は880億円と増加している。

その要因は拙著『いま、子どもの本が売れる理由』(筑摩書房)で詳述したが、背景のひとつには官民あげての読書推進活動や学校教育における図書館活用の推進がある。

その影響をもっとも大きく受けたのは小学生だが、次いで中学生も影響を受け、高校生に関しても2000年代以降に「本離れ」したという統計的事実はない。

学校読書調査で行われる小中高校生の平均読書冊数、不読率(1冊も本を読まない人の割合)は、90年代後半に史上最悪となるも、2000年代にV字回復を遂げ、高校生はこの10年はほぼ横ばい、中学生の平均読書冊数に関しては微増している。

 

さらに前述のとおり、朝読ランキングや学校読書調査のランキングからラノベが消え去ったわけではない。

朝読に関しては読者の実数が公表されていないので経年での増減は不明だが、2010年代に入っても継続的にラノベのタイトルは挙がっている。

学校読書調査はランキングの順位のみならず何人がその本を読んだかも発表しているが、ランクインするタイトル数を見ても1タイトルあたりの読書した人数を見ても、2000年代と比較してラノベが減った印象はない。

もっとも、97年調査では神坂一『スレイヤーズ!』(富士見ファンタジア文庫)が中高生男女を問わず圧倒的に読まれており(ブーム時の『ハリー・ポッター』並み)、それと比べると控えめな数字にはなっているが、2018年、19年調査でも『SAO』『よう実』『Re:ゼロ』「物語」シリーズなどがランクインしている。つまり中高生がラノベ作品に関心を失い、読書欲をなくしたようには見えない。

中高生側にラノベ離れの主たる理由を見いだすことは難しいのだ。

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