2020.12.04
# 新型コロナウイルス

新型コロナ、じつは「ワクチン誕生」でもまだまだ安心してはいけないワケ

「本物のワクチン」までは時間がかかる
村上 和巳 プロフィール

また、新型コロナウイルスが血液の凝固異常、つまり血の塊である血栓を作るという病態が判明してきて、血液をサラサラにする抗凝固薬、代表的なものはヘパリンという薬を使った方が望ましいのではという指摘もあります。致死率を低下させる効果があるかどうかは、まだ結論が出ていませんが、前述のレムデシビル、デキサメタゾンにさらにヘパリンを加えるという3種類の併用療法も第2波以降行われています。

劇的によくなるわけではない

―レムデシビルに関しては最近、世界保健機関(WHO)が主導する臨床試験では有効性が示せなかったとも報じられています。

実際にレムデシビルを投与している側の感覚から言えば、一定の有効性はあると感じています。

そしてWHOの臨床試験では、発症から投与までの日数が不明であったり、比較対照とした患者群で厳格な臨床試験で用いられる偽薬(プラセボ)が使用されていなかったり、はたまた臨床試験に参加した患者の中には確定診断を受けていない事例も含まれているのではないかとの指摘があったりします。要はWHO主導の臨床試験のエビデンスレベルは、これまでに報告されているレムデシビルの承認根拠になったランダム化比較試験などと比べて劣ると考えられます。

ただ、すでにドイツで行なわれた研究では、新型コロナによる中等症の肺炎の患者にレムデシビルを含まない標準的肺炎治療、レムデシビル5日間投与、レムデシビル10日間投与の3グループで比較したところ、5日間投与は標準的肺炎治療よりも症状改善が認められながら、10日間投与は標準的肺炎治療と差がないという解釈に悩む結果も報告されています。

 

これは端的に言うと、有効性はあるけど、患者さんが目に見えて劇的に良くなるほどの効果ではないのだろうと見られています。

そもそもウイルス感染症の特効薬というのは開発が難しく、例えばインフルエンザの治療で使われる経口の抗ウイルス薬タミフルの効果は発熱期間の短縮ですが、レムデシビルも似たような感じで症状改善までの期間短縮という位置づけと考えられます。

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