3男1女を日本最難関医学部である東京大学理科III類に進学させた「佐藤ママ」こと佐藤亮子さんは「子どもの未来を決めるのは、親の「お金」と「時間」の使いかた」と断言する。その佐藤ママが具体的にどのように使ってきたのかをまとめたのが新刊『東大に入るお金と時間の使い方』だ。

この本では、佐藤ママ流育児で、0歳から18歳までの限られた期間をどのようにしてサポートしたのかが、「お金」と「時間」の視点から語られている。

長男を妊娠中、小学校全学年・全教科の教科書を揃えた、子どもは全員1歳前後から公文式へ、3歳までに「絵本1万冊、童謡1万曲」を読み歌い、習い事だけでも1人あたり月5〜6万円――正直、そんなことはできないという人のほうが大半だろう。これはあくまで佐藤ママ流の育児だが、驚きの実例の数々がある。

今回は「幼児期」の子育てにフォーカスし、本書から一部抜粋、紹介する。

「限りあるお金」を戦略的に使う

「お金」とは、とても不思議なものです。お金をたくさん持っているとか、持っていないとかいいますが、それは一体どのくらいの金額が基準なのでしょうか? 「◯◯円」以上持っているとお金持ちで、「△△円」以下はそうでない、などと明確には 線引きできませんよね? そう単純に価値判断できないところに、「お金」というものの難しさがあります。

お金には、お金に対する「人の考え方」が紐づきます。また、お金に対する考え方は、「お金の使い方」に如実に現れます。しかも、その人の「育ち」「教養」「品性」「人間性」 といったことさえ垣間見えるのです。お金についての考え方や使い方は、「人そのもの」 といえるかもしれません。

子育てにかかるお金の考え方や使い方も同じです。とくに「教育費」を「いつ」「どのように」「どれくらい」使うかは、親の考え方が大きく影響します。 

しかも教育費は、親の収入にかなり関係してきますから、なかなか難しいところです。 お金は天から降ってはきませんから、行きあたりばったりの「出たとこ勝負」で教育費を捻出しようとすると、家計が破綻することにもなりかねません。

大学入学までの教育費は、「0歳〜3歳」「4歳〜6歳」「小1〜小3」「小4〜小6」「中1〜中3」「高1〜高3」と6段階で考えるとわかりやすいです。 限りあるお金を「いつ」(どの段階で)「どのように」「どれくらい」使うかを戦略的に考えなければいけません。

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