【スナック千代子へいらっしゃい #10 アイツのロマンティックが止まらない】
息子はナチュラルボーンロマンチスト
千代子、もとい私は子供時代、クラスにうまく馴染めずに自分の席で延々とノートに漫画を描いたり、許されれば学校にいるほとんどの時間を美術室で過ごしていたタイプでした。
リアルな人付き合いができなかったせいか、友情や恋愛に少女漫画のような強いドリームを持っているところがあり、歯の浮くようなセリフを言ってくれるタイプの人が今でもかなり好きです。
そこにきて、アイツ(息子5歳)のロマンチストっぷりですよ。父親の影響を強く受けている部分もありますが、毎日が褒め言葉の雨あられ。
「ねえねえ、かわいいママ、ちょっとそれ取って欲しいんだけど」
「ママのお腹はプニプニしてて触るとしあわせなきもちになるよ」
褒めるシーンじゃなくても、褒めるところがなくても褒めてくれます。
「月が綺麗ですね」の意訳が「愛しています」説など知っているはずもないアイツですが、月がどんな形であろうとナチュラルにバンバン月の綺麗さを熱弁するので、天気の良い夜は大抵気分良く過ごせます。
子の言葉に喜ぶ親はアイドルのファンのよう
しかし、ナチュラルボーンロマンチストは誰に対しても分け隔てなくロマンチックを与えます。「私だけに……」なんて野暮なことを言っちゃあいけません。誰にでも優しい言葉をかけていることは当然と理解した上で、自分に対して注がれるロマンチックをありがたく享受する。それがナチュラルボーンロマンチストの正しい愛し方。なんだかアイドルのファンみたいだ。
ちなみに3歳の娘のほうは、息子とは違ってかなりの塩対応。その媚びない姿勢にはストイックな美しさすら感じます。そんな娘が気まぐれに甘えてくる数少ない機会がたまらなくて、多くを求めずそのチャンスをじっと待つ。どちらにしてもよくしつけられたファンですね。やめられないですよ親バカは。