2020.11.22
# 新型コロナウイルス

世界初!360万人が受けたスロヴァキアの「全国一斉コロナ検査」、現地で味わった混乱と希望

増田 幸弘 プロフィール

テストの流れ

検査のおこなわれる31日早朝、私は家族と一緒に会場のひとつに指定された小学校の体育館に向かった。ブラチスラヴァには合わせて400カ所あまりが設営され、このうち私の住む地区には19カ所あり、うち1カ所はドライブスルーになっている。朝7時から夜22時(受付は21時30分)まで、どこでも好きな会場にいつ行ってもかまわない。地区には2万2000人の住人がいるから、単純に計算して1カ所あたり1000人近くになる。これはたいへんだと急いだところ、すでに50人近くが並んでいた。学校のほかにもあちらこちらの会場で行列が見える。

検査に並ぶ人たち。雨が上がったおかげで、大勢参加した。
 

7時になってもはじまらず、警官の立つ扉は閉ざされたままだった。8時になっても、ぴくりとも列は動かない。しびれを切らせて何人かが列を抜け、ほかの会場に行った。知り合いがいるらしく、だれかが中の様子を電話で確認している。聞き耳を立てていると、どうもなにかが届いておらず、まだ準備できていないらしい。こういうとき、この国の人は文句ひとつ言わず、こんなものだという顔をしている。切れたり、声を荒げる者も、横入りする者もいない。

軍服を着た女性が全体を指揮し、学校なので禁煙といった注意をしたり、障害者を先に誘導したりしている。この時点で検査がはじまっていたのはスロヴァキア全体で5000カ所近くある会場のおよそ9割。お昼になっても100%にはならなかった。それから40分ほどして、ようやく扉が開き、5人ずつ、順次、中に人を入れていった。当初1時間あたり35人の検査ができると想定されていたが、慣れるにしたがい45人に増え、手際のよい会場では60人近くになった。

軍人が監督し、3人の医療関係者が検査を進める。
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