28年ぶりの写真集が、あらたなスタートをくれた
今、世界中がパンデミックの恐怖と不安に襲われている。そんな最中だからこそ、作品をリリースすることに意義があるという。
「物事って、見る角度でまったく変わると思うんです。どんなにいいことでも、見る角度によっては魅力が失われるし、美しいものも醜く見える角度がある。
絵画や楽曲、すべての芸術でもそれは同じで、同じ曲を聴いても優しさを感じるときがあれば、攻撃性を感じることもある。自分が作った曲ですら、まったく違った印象をもつことがあるんです。
ですから、すべては“解釈”だと思う。今、世界中がいろいろな苦しみや悲しみに覆われていますが、角度を変えればチャンスだったり、希望だったり、そういうものがきっと見えてくる。だからこの写真集も、『こういう風に解釈してください』というものはありません。見た方が、その時にどう捉えるか。そこから、僕たちの“今”が見えてくるのかもしれません」

音楽も写真も、絵画もファッションも、すべてがアートだと捉えているYOSHIKI。人が生きていることそのものも、アートなのだ。
「衣装でも、家具でも、言葉でも、僕たちを取り巻くものすべてが芸術。そもそも“生きていること”そのものが、壮大な芸術です。みなさんそれぞれ、芸術を生きている。僕たち芸術家は、それを表現しているだけなんです。
ただどんなにいい芸術を生みだしたとしても、自己完結していては芸術家として意味がない。僕がここにいられるのはファンの皆さんのおかげだと思っているので、いい作品ができたら皆さんに触れてもらわなければ」